「チョコレートのテンパリングって、なんだか難しそう…🤔」そう感じたことありませんか?
家でチョコレートを扱っていると、艶が出なかったり、パリッとした食感にならなくてうまくいかないことありますよね。
でも実は、テンパリングの理論を理解すれば、成功率はぐっと上がるんです!💡
なぜかというと、チョコレートの中の結晶をしっかり整えることで、自分がなにをしているか把握するのが成功への近道になります✨
僕はショコラティエとしてショコラトリーで働いていた経験があり、全日本のチョコレートコンクールで日本2位に輝いたこともあります🏆。
その経験を活かして、今回はテンパリングとは?についてわかりやすくお伝えします。
この記事では、「テンパリングって何?」「どんな時に必要なの?」「失敗しないためのポイントは?」から、「オーバーテンパリングしちゃった時の対処法」まで詳しく解説しています。
この記事を読めば、きっとチョコレート作りがもっと楽しくなること間違いなし🍫✨!
チョコレートのテンパリングは何をしているの?🍫
チョコを温めたり、冷やしたりして結晶を整える作業がテンパリングになります!
結晶を整える作業なのはわかったけど見えないものをするのって難しくない!?
なのでテンパリングの理論(原理)を理解するのがとても大事になります!
テンパリングとは、溶かしたチョコレートの中の結晶を整えて固めることで、チョコレート特有の艶やパリッとした食感を引き出す作業です。
チョコレートの中に含まれるカカオバター(油脂分)は、温度によって6つの異なる結晶形があります。
その中で、安定して美しい光沢やパリッとした食感を得られるのは “V型結晶” と “VI型結晶” です。
テンパリングでは、この中のV型結晶を作ることで、チョコレート特有のパリッとした食感と艶やかな見た目が実現します✨
(VI型結晶ではない理由については後述します)
イメージはこんな感じ!
チョコを溶かして結晶をバラバラにして、テンパリングを取ることで中の結晶を整えます✨
そもそもチョコレートの成分は?
テンパリングはカカオバターにアプローチをします。
チョコのカカオバターの含有量を見てみましょう❣️
ダークチョコレート🍫
- カカオマス: 約50%〜70%
- カカオバター(油脂分): そのうち約50%〜55%
- カカオソリッド(固形分): 残りの約45%〜50%
- 砂糖: 約30%〜40%
- カカオバター(追加分): 約5%〜10%
- 滑らかさやテクスチャーを調整するために追加されます。
- レシチン: 約0.3%〜0.5%
- 砂糖や油脂分を安定させるために使用されます。
- バニラや香料: ごく微量
- 風味を調整するために使用されます。
ダークチョコレートは濃厚なカカオの風味と滑らかな口溶けが特徴
カカオマスの中のカカオバターも考えるとほとんど油脂なんだ!
ミルクチョコレート🍫
- カカオマス: 約20%〜40%
- カカオバター: カカオマスの中に含まれるカカオバターは約50%〜55%
- 砂糖: 約40%〜50%
- ダークチョコレートよりも甘さが強く、砂糖の割合が高いです。
- ミルク成分: 約20%〜30%
- 粉乳や練乳などが使用され、クリーミーでマイルドな味わいを作り出します。
- カカオバター(追加分): 約5%〜10%
- 滑らかさや口溶けを向上させるために追加されます。
- レシチン: 約0.3%〜0.5%
- 乳化剤として使われ、チョコレートの成分を均一に保ちます。
- バニラや香料: ごく微量
- 風味を調整するために加えられることがあります。
ミルクチョコレートは、滑らかでクリーミーな食感とマイルドで甘い味わいが特徴
ダークチョコと比べて乳が入っているからクリーミーなんだね
砂糖の量もとても多い!!
ホワイトチョコレート🤍
- カカオバター: 約20%〜35%
- ホワイトチョコレートの滑らかさと口溶けの良さを生み出す主要成分です。
- 砂糖: 約40%〜50%
- 甘さの源で、比較的高い割合を占めます。
- ミルク成分: 約20%〜30%
- 粉乳や脱脂粉乳が使用され、クリーミーでマイルドな味わいを作り出します。
- レシチン: 約0.3%〜0.5%
- 乳化剤として使用され、成分を均一に保ちます。
- バニラや香料: ごく微量
- 風味を引き立てるためにバニラやその他の香料が加えられます。
ホワイトチョコレートはカカオソリッドを含まないため、チョコレート特有の苦味はなく、甘さとクリーミーさが際立ちます。
ほぼ乳と砂糖なんだね
カカオマスが入っていないから白いんだ
チョコの種類によってテンパリング温度が違うのは、中に入っているカカオバターの量が違う為なんです👌
テンパリングがとれていないとどうなるのか?🤔
ブルーム現象が起こります
チョコレートの表面に白い斑点や薄い膜が現れるブルーム現象には、「ファットブルーム」と「シュガーブルーム」の2種類があります。
- ファットブルーム: カカオバターが融けて再結晶化することで、表面に白っぽい斑点や膜ができます。温度変化や高温での保存が原因です。
- シュガーブルーム: チョコレートの表面が湿気にさらされ、砂糖が溶けて再結晶化することで白くなる現象です。湿度の高い環境での保存や、水分が混入した場合に起こります。
ブルーム現象は見た目を損ないますが、食べても健康に害はありません。
ただし、チョコレート本来の風味や口当たりが劣化してしまいます🍫。
正しくテンパリングがとれていると上記のように艶がある状態になります
チョコレートの美しい艶が出ない
テンパリングされたチョコレートは滑らかで美しい光沢がありますが、失敗すると艶がなく、くすんだ見た目になります。見た目を美しく仕上げるためにはテンパリングが必要です✨。
割れやすい、または柔らかすぎる
チョコレートの結晶構造が安定しないと、口当たりが悪く、割れやすくなります。柔らかすぎて常温で形を保てなかったり、ボソボソした食感になることがあります。
どんなときにテンパリングが必要か?🍫
手作りチョコレートやデコレーション、ボンボンショコラなど、チョコレートをそのまま使用する場合にはテンパリングが必要です。
一方、チョコレートムースや生チョコなど、チョコレートに他の材料を混ぜる場合には、基本的にはテンパリングを行いません(ただし、生チョコの場合はテンパリングが必要なこともあります)
テンパリングを成功させるためのコツ📝
- 正確な温度管理: 温度コントロールが最も重要です。各段階で温度を正確に測りましょう。
- 水分を避ける: チョコレートは非常にデリケートで、水分が混入するとシュガーブルームが発生します。作業時には器具や作業台が完全に乾いていることを確認してください。
- 少量ずつ溶かす: 特に家庭で少量のチョコレートをテンパリングする際は、少しずつ温度を調整することが大切です。
- ゆっくりと冷やす: テンパリング後は急速に冷やさないよう注意しましょう。冷蔵庫に入れる場合は、温度が安定してから移動させることで、結晶構造が安定します。
- 作業環境の温度: 作業する部屋の温度や湿度も影響するため、涼しく保ちましょう。夏場は22℃くらいがベストです🌡️。
オーバーテンパリングとは?🥶
オーバーテンパリングとは、チョコレートを必要以上に冷却しすぎたり、混ぜすぎたりすることで、結晶構造が過剰に形成される状態を指します。
結晶が安定していれば良いと思うかもしれませんが、VI型結晶には以下の欠点があります:
- 融点が高い: VI型結晶はV型結晶よりも高い温度で融解します。口の中で溶けにくく、滑らかな食感が得られません😕。
- 硬さが増す: チョコレートが非常に硬くなり、割れやすく、ボソボソした食感になります。
- 成型が難しくなる: 型に流し込む際に均一な仕上がりが難しくなります。
オーバーテンパリングが起こってしまったら🔄
オーバーテンパリングが起こった場合でも、完全に無駄になるわけではありません。以下の方法でリカバリーが可能です:
- 再度加熱: チョコレートをもう一度溶かし直し、再び適切な温度まで冷やしつつ混ぜることで、過剰な結晶を溶解し、V型結晶を再形成することができます。
- 部分的に溶かす: チョコレートの一部を取り分けて完全に溶かし、それを元のチョコレートに混ぜ込むことで、結晶構造をリセットし、再びテンパリングの工程を行うことができます。
一度オーバーテンパリングが始まってしまうとなかなかいい状態をキープすることが難しいので
テンパリングを崩して(温度を45℃以上に上げて)やり直すのもありだと思います😄
まとめ
チョコレートのテンパリングは、艶やかな仕上がりや滑らかな口溶けを実現するために不可欠なプロセスです。カカオバターの結晶を整えることで、美しい見た目と最高の食感が得られますが、温度管理や湿度への注意が必要です。テンパリングがうまくいかないと、ブルーム現象や割れやすさ、艶がない仕上がりなど、見た目や食感に影響が出ることがあります。
家庭でテンパリングに挑戦する際は、正確な温度管理や水分の混入を避けることがポイントです。
テンパリングをマスターすることで、あなたのチョコレート作りが一段と楽しく、美味しいものになること間違いなしです🍫✨