「チョコレートを保存していたら表面が白っぽくなっていた」「お菓子作りに使おうと思ったらザラザラしていて残念だった」――こんな経験はありませんか?
それ、もしかするとシュガーブルームかもしれません。
実はシュガーブルームは、水分の影響で起こるチョコレートの糖分の結晶化が原因。適切な保存や扱い方を知っておけば、未然に防ぐことができます!
なぜこんなことがわかるのかというと、僕はショコラティエとして長年チョコレートショップで勤務し、全日本チョコレートコンクールで日本2位を受賞した経験があるからです。
その知識と経験をもとに、シュガーブルームの仕組みや具体的な対策をお伝えします。
この記事では、シュガーブルームが起きる原因、効果的な予防策、そして発生してしまった場合の活用方法まで詳しく解説します。
この記事を読むことで、チョコレートの管理に自信がつき、大切なチョコレートを無駄にせず美味しく楽しむ方法が分かりますよ!
チョコレートのブルームとは?
ブルームが発生すると、チョコレートの風味や、なめらかな口溶けが失われます。この現象は避けたいものの一つです。
ブルームには、大きく分けて以下の2種類があります。
ファットブルーム(安定結晶の不足が原因)
カカオバター(脂肪分)が表面に浮き出ることで発生します。
表面に白っぽい層が現れ、ボロボロと砕けやすい状態になります。
ファットブルームは、テンパリングが不十分であったり、高温で保存されたチョコレートが原因で起こります。
シュガーブルーム(水分の混入が原因)
糖分が表面に浮き出て結晶化することで発生します。
表面が白い斑点状になり、湿度の高い環境やチョコレートへの水分混入が主な原因です。
シュガーブルームは見た目が粗くなり、ざらついた食感が特徴的です。
この記事では、シュガーブルームに焦点を当て、その原因や対策を詳しく解説します。
シュガーブルームが発生するとどうなる?
シュガーブルームが発生したチョコレートには以下の変化が見られます。
- 見た目の変化: 表面が粉をまぶしたように白っぽくなる
- 食感の変化: 表面がざらつき、なめらかさが失われる
- 味の変化: 風味の劣化により美味しく感じなくなります。
ただし、シュガーブルームが発生したチョコレート食べても、健康への影響はありません。
シュガーブルームが発生する原因
シュガーブルームの主な原因は水分の混入です。
チョコレートに水分が入ると、内部の糖分が溶けて結晶化し、シュガーブルームが発生します。
これにより、なめらかな食感が損なわれたり、加工が難しくなる場合があります。
水分が混入する主な3つの経路
チョコレートの結露
冷蔵・冷凍保存したチョコレートをそのまま常温に戻すと、表面に結露が発生します。この水分が混入するとシュガーブルームを引き起こします。
対策: 冷蔵保存する場合は、必ず密閉容器(例:ジップロック、真空保存袋など)に入れ、取り出した後も袋のまま常温に戻すことで結露を防ぎます。
湯煎時の水蒸気
チョコレートを湯煎で溶かす際、鍋の湯気がボウルに触れ、水滴が混入することがあります。
対策: 湯煎を行う際は、以下の工夫をしましょう。
- ボウルをラップで覆って水滴を防ぐ
- 湯気が直接当たらない、小さな鍋を使用する
道具に付着した水分
洗ったばかりのボウルやゴムベラを使用すると、乾ききっていない水分が混入することがあります。
対策: 道具は必ず乾燥させてから使用しましょう。キッチンペーパーなどで水気を拭き取ると安心です。
シュガーブルームを防ぐには?
シュガーブルームの発生を防ぐには、水分を徹底的に防ぐことがポイントです。以下の優先順位で対策を行いましょう。
- 保存時には密閉容器を使い、結露を防ぐ
- 湯煎時はラップや鍋のサイズ調整で湯気対策を徹底する
- 道具の水分をしっかり取り除く
これらの対策を実施することで、シュガーブルームのリスクを大幅に減らせます。
シュガーブルームが起きてしまったら?
再テンパリングは不可
シュガーブルームを起こしたチョコレートは、再テンパリングができません。
水分が混入することで、チョコレートの結晶構造が崩れてしまい、再び適切な結晶を作ることが困難になるためです。
活用方法
シュガーブルームの起きたチョコレートは、以下の用途で再利用が可能です:
- 焼き菓子: クッキーやケーキの材料として使用
- フィリング: 生地に練り込むなど加熱するお菓子に適しています
テンパリングが必要な用途では、新しいチョコレートを使用してください。
まとめ
シュガーブルームは、チョコレートの糖分が水分と反応して結晶化し、表面が白くざらつく現象です。
主な原因は結露、湯煎時の水蒸気、道具に付着した水分の3つです。
これを防ぐには、密閉容器で保存して結露を避け、湯煎時に水滴が入らないよう工夫し、道具の水分を完全に除去することが重要です。
万が一シュガーブルームが発生しても健康には影響がありません。再テンパリングはできませんが、焼き菓子や加熱するレシピで活用する方法があります。
適切な管理と対策を行えば、チョコレートの美しさと品質を長く楽しめますので、ぜひ実践してみてください!