チョコレートと飲み物の組み合わせは無限にありますが、意外と相性が悪い飲み物も少なくありません。適切なペアリングを知らずに選ぶと、せっかくのチョコレートの風味を損ねてしまうこともあります。
私は、元ショコラティエであり、ショコラトリーで働いていました。また、全日本洋菓子コンクールのチョコレート部門で日本2位を獲得した実績があります。
この記事では、チョコレートと飲み物のペアリングにおいて、具体的な組み合わせや、相性の良い飲み物・悪い飲み物を詳しく解説します。また、紅茶やワイン、ウィスキー、日本酒といった飲み物ごとに、チョコレートとの相性や選び方のコツを解説しています。
この記事を読むことで、自宅でも簡単にチョコレートと飲み物のペアリングを楽しめて新しい味覚の楽しみ方が広がります。自分だけのお気に入りの組み合わせを見つけて、チョコレートをさらに深く堪能してください!
チョコレートに合う飲み物を探す(ペアリング)
飲み物と食べ物のペアリングとは、両者の風味や質感を組み合わせることで、それぞれの美味しさを引き立てる手法です。
ペアリングの基本は「補完」と「対比」にあります。補完は似た風味を組み合わせて調和を楽しむ方法(例:ミルクチョコ×ホットミルク)。
対比は異なる特性を活かして新たな味覚体験を生む方法(例:ビターチョコ×アールグレイ紅茶)。飲み物と食べ物の相性を探ることで、味わいの幅が広がり、食事やデザートがさらに楽しいものになります。
このペアリングをチョコレートに特化したもので考えると、2つの観点で飲み物を選定すると自宅で飲み物を選定する際の基準になります。
飲み物とチョコレートの甘みと苦味のバランスを考える
これは1つ目にあげた『補完』の考え方の一部になります。
チョコレートに含有されているお砂糖と、飲み物を飲み物に含まれるお砂糖の量のトータルのバランスを考える必要があります。
例えばハイカカオ(カカオ分70~85%)チョコレートに合う飲み物を探していた場合は、候補としてお砂糖をたっぷり使った、ミルクティーや、カフェラテなどがが候補として考えられます。
逆にホワイトチョコレートなど、チョコレート自体に砂糖が多く含まれる場合、飲み物の候補としてはレモンティーや、ブラックコーヒーなどがあげられます。
このようにチョコレートと飲み物のトータルの糖分のバランスを意識することでペアリングを楽しめます。
チョコレートのカカオ分が書いていなかったり自分で作ったチョコレート菓子の場合は一口食べて甘さを確かめてみてからペアリングする飲み物を選んでみるものまた良いかなと思います。

それを考えている時がまた楽しい!
温かい飲み物の冷たい飲み物の選び方
飲み物の温度も重要な要素になります。
チョコレートを食べる際には、チョコレートを食べる場合は、冷たい飲み物よりあったかい飲み物の方がおすすめです。
※もちろん季節的なものはあるかと思いますが…
理由としては、チョコレートが口の中ですぐ溶けることによって、滑らかな食感やチョコレートの持つ香りだったりを楽しめるので、口の中が冷えているよりも体温に近い方がより美味しく食べれます。
上記の2点を抑えながら飲み物を選定すると、 チョコレートに合う飲み物が見つかるのではないかなと思います。
チョコレートに合う飲み物3選【ノンアルコール編】
紅茶
紅茶の中でも特にオススメなのがフレーバーティーになります。
もちろんアッサムやダージリンなど茶葉で選んでも美味しくいただけますが、
フレーバーティーと合わせることによってチョコレートの香りを相乗効果で楽しめるのでオススメです。
私が特にオススメの組み合わせが
ピーチティーはベリー系を使ったチョコレートやルビーチョコレートなどがと合わせるのが特におすすめの組み合わせです。
そしてピーチティーは甘めの方桃の香りが感じやすいです。
またアールグレイは柑橘を使ったチョコレートやオランジェットなどととても相性が良いです。
上記の2点は特にチョコレートとの相性が良くおすすめにになります。
楽しむ際のポイント
紅茶をペアリングする際には、お砂糖をどのくらい入れるのか考えながら入れると、
ペアリングをより楽しめます。
日本茶(煎茶、ほうじ茶、抹茶、玉露)
日本茶とチョコレートは、意外にも相性が良くそれぞれの特徴が互いを引き立てるため、お茶のさっぱりとした渋みが、チョコレートの甘さや濃厚さを中和しチョコレートの滑らかな口溶けと日本茶の軽やかな飲み心地が、絶妙な食感と味のコントラストを生みます。
日本茶とチョコレートのおすすめの組み合わせ
煎茶 × ミルクチョコレート
煎茶の程よい渋みとフレッシュな香りが、ミルクチョコの甘さを引き立てます。軽やかな味わいで万人受けする組み合わせです。
ほうじ茶 × ダークチョコレート
ほうじ茶の香ばしい風味が、ダークチョコのビターな味わいと相性抜群。苦味同士が調和し、大人の味わいを楽しめます。
抹茶 × ホワイトチョコレート
抹茶の濃厚な旨味と渋みが、ホワイトチョコのミルキーな甘さと絶妙にマッチ。見た目も華やかで、特別感があります。
玉露 × 生チョコレート
玉露の深い旨味と甘みが、滑らかな生チョコと完璧に調和。上質な組み合わせとして特別な席に最適です。
玄米茶 × ナッツ入りチョコレート
玄米茶の香ばしさとナッツの風味が合わさり、楽しい食感と風味のバランスを楽しめます。
楽しむ際のポイント
温度: 日本茶は適温(70〜80℃)で入れることで、香りや味が引き立ちます。チョコレートの風味とも調和しやすくなります。
白湯
白湯は素材本来の味わいを際立たせチョコレートの風味や甘さ、苦味を純粋に引き立てます。
余計な要素がない分、チョコレートそのものをじっくり味わえます。
白湯は口の中をリセットする効果があるため、次に食べるチョコレートの味わいをクリアに感じられるようにします。特に、濃厚なチョコレートを食べる際に適しています。
楽しむ際のポイント
水の温度: 白湯は50〜60℃程度の温かさが最適。チョコレートの口溶けが良くなり、香りも感じやすくなります。
チョコレートを一口食べた後に白湯を飲むことで、余韻を楽しみながら次の一口を新鮮に味わえます。
チョコレートに合う飲み物5選【アルコール編】
ワイン
ワインとチョコレートは、大人の贅沢なペアリングとして人気のある組み合わせです。
ワインの酸味や渋みが、チョコレートの甘さや苦味を引き立て特に、どちらも芳醇な香りを持っているため組み合わせることで香りのハーモニーを楽しむことができます。
ワインとチョコレートのおすすめの組み合わせ
赤ワイン × ダークチョコレート
赤ワインのタンニンの渋みが、ダークチョコレートの苦味と絶妙に調和します。特に、カベルネ・ソーヴィニヨンやメルローなどフルボディの赤ワインがおすすめ。
※カベルネ・ソーヴィニヨンやメルローは葡萄の品種
ポートワイン × 生チョコレート
※ポートワインとは、ポルトガルのドウロ地方で造られる酒精強化ワイン(ブランデーを添加したワイン)の一種
ポートワインの甘く濃厚な味わいが、生チョコの滑らかな口溶けと相性抜群です。デザートワインとして特別なひとときに最適。
シャンパン × ホワイトチョコレート
シャンパンの爽やかな酸味が、ホワイトチョコレートの甘さを和らげ、軽やかな味わいを楽しめます。
ロゼワイン × フレッシュフルーツタブレット
ロゼワインのフルーティな香りが、フルーツを使ったチョコレートと調和し、華やかな風味を生み出します。
甘口ワイン(貴腐ワイン) × ビターチョコレート
貴腐ワインの濃厚な甘さが、ビターチョコのほのかな苦味を引き立て、コントラストが楽しめます。
楽しむ際のポイント
温度管理: ワインとチョコレートはそれぞれ適切な温度で提供すると風味が引き立ちます。ワインは適温(赤ワインは15〜18℃、白ワインは8〜12℃)で、チョコレートは室温で楽しめるとベストです。
チョコレートとのペアリングでワインを選ぶ際には、甘口のワインを選ぶのがポイントです。
そしてワインの場合には2000円〜3000程度で十分に美味しいワインが楽しめます。
値段が1万円までは値段が高いほど美味しくなります。
ウイスキー
ウイスキーとチョコレートはどちらも複雑な風味を持ち、カカオの苦味とウィスキーのスモーキーさ、バニラやフルーツの香りが絶妙に調和しウィスキーの辛口やスモーキーさが、チョコレートの甘さを引き立てるコントラストを生み出します。
ウイスキーとチョコレートのおすすめの組み合わせ
シングルモルトウィスキー × ダークチョコレート
特徴: シングルモルトの複雑で重厚な香りが、カカオ含有率の高いダークチョコのビターな味わいと調和します。
例: スコッチ(ラフロイグ、マッカラン)と75%以上のダークチョコ。
アイリッシュウィスキー × ミルクチョコレート
特徴: アイリッシュウィスキーは軽やかでまろやかな風味が特徴。優しい甘さのミルクチョコレートと相性が良い。
例: ジェムソンとヘーゼルナッツ入りのミルクチョコ。
バーボンウィスキー × キャラメルチョコレート
特徴: バーボンの甘く濃厚なバニラ香がキャラメルの風味とマッチします。
例: メーカーズマークとキャラメルフィリング入りチョコ。
スモーキーなピート系ウィスキー × 塩チョコレート
特徴: ピート由来のスモーキーな香りと、塩味の効いたチョコレートがユニークな組み合わせに。
例: アードベッグと塩キャラチョコ。
カナディアンウィスキー × ホワイトチョコレート
特徴: カナディアンウィスキーの軽やかな甘みが、ホワイトチョコの濃厚なミルク感を引き立てます。
例: クラウンローヤルと抹茶ホワイトチョコ。
ジャパニーズウィスキー × フルーツチョコレート
特徴: ジャパニーズウィスキーの繊細でバランスの良い風味は、ドライフルーツ入りチョコレートと好相性。
例: 山崎や響とオレンジピール入りダークチョコ。
楽しむ際のポイント
少量ずつ味わう
ウィスキーはストレートやロックで少量ずつ口に含み、その後チョコレートを楽しむことで味わいが広がります。
チョコレートの溶け具合を楽しむ
チョコレートを口の中で溶かしながらウィスキーを少し飲むと、アルコールが香りと味わいを引き立てます。
温度を意識する
チョコレートは常温で、ウィスキーは適切な温度(シングルモルトはストレート、バーボンはロックなど)で提供すると風味が際立ちます。
日本酒
日本酒の甘みや旨味が、チョコレートの濃厚な味わいを包み込み、まろやかで深みのある味わいを生み出します。
フルーティーな香りのある吟醸酒や、芳醇な純米酒の香りが、チョコレートのカカオやナッツの香りと絶妙にマッチします。
日本酒がチョコレートの甘さを引き立て、カカオの苦味や酸味を際立たせます。
日本酒とチョコレートのおすすめの組み合わせ
吟醸酒・大吟醸酒 × ミルクチョコレート
特徴: 吟醸酒のフルーティーで華やかな香りが、ミルクチョコレートの甘さと調和。軽やかな味わいが楽しめます。
例: 梨やリンゴの香りを持つ大吟醸とキャラメルフィリング入りミルクチョコ。
純米酒 × ダークチョコレート
特徴: 純米酒のコクと旨味が、ダークチョコのビターな味わいと絶妙なバランスを生み出します。
例: コクのある純米酒と75%以上のカカオ含有率のダークチョコ。
本醸造酒 × ホワイトチョコレート
特徴: 本醸造酒の控えめな香りとホワイトチョコのミルキーな甘さが優しく調和します。
例: 飲みやすい本醸造酒と抹茶ホワイトチョコ。
発泡日本酒 × フルーツチョコレート
特徴: 微発泡の日本酒の爽やかさが、フルーツの酸味を生かしたチョコレートと相性抜群。
例: 発泡日本酒(すず音など)とオレンジピール入りチョコ。
古酒(熟成酒) × 生チョコレート
特徴: 古酒の濃厚な香りと深い味わいが、生チョコの滑らかな口当たりと絶妙にマッチします。
例: 熟成感のある古酒とビターチョコベースの生チョコ。
楽しむ際のポイント
日本酒の温度
日本酒は冷やすと爽やかに、常温やぬる燗では旨味が引き立ちます。チョコレートの種類に合わせて温度を調整すると、より一層楽しめます。
日本酒を一口含み、後からチョコレートを口にすることで、日本酒が口内の甘さや苦味をリセットし、次の一口を新鮮に感じられます。
日本酒とチョコレートはどちらも少量ずつ味わうことで、味覚の変化や香りの違いをより深く楽しむことができます。
ペアリングのQ&A
Q1: チョコレートに合う飲み物は、甘口と辛口どちらが良いですか?
A:チョコレートの種類によりますが、一般的には甘口がオススメです。辛口の飲み物はペアリングがとても難しいため、迷ったら甘口の飲み物を選ぶとよいでしょう!
Q2: チョコレートに合わせる飲み物の温度は?
A:飲み物の温度は40〜60℃程度の温かさが適しています。温かい飲み物は、チョコレートの香りを引き立てます。冷たい飲み物を選ぶ場合でも、常温に近いものにすることで、チョコレートの味わいが損なわれにくくなります。
Q3: カカオ分が100%のチョコレートには何を合わせるべきですか?
A:ペアリングとしては適していないのでお菓子作りに活用しましょう。
Q4: 飲み物がチョコレートの味を邪魔してしまうことはありますか?
A:あります。特に以下の場合に注意が必要です:
酸味が強い飲み物(例: トマトジュース)
チョコレートの甘さが損なわれることがあります。 相性が悪いと感じた場合、別の飲み物を試してみてください。
Q5: チョコレートを使ったデザートにも同じペアリングが適用できますか?
A:基本的に適用可能ですが、デザートの甘さよって選ぶべき飲み物を変えるとよいでしょう。
まとめ
チョコレートと飲み物のペアリングは、甘みや苦味のバランス、香り、温度など、さまざまな要素が関係する奥深い楽しみ方です。紅茶や日本茶、ワイン、ウィスキーなど、それぞれの飲み物には特有の風味があり、チョコレートの種類に応じてベストな組み合わせが変わります。また、シンプルな白湯でも、チョコレートの本来の味を引き立てる絶妙なパートナーになります。
一方で、酸味の強いジュースや香りが強すぎる飲み物など、チョコレートとの相性が悪いものもあります。それらを避けながら、自分の好みに合ったペアリングを見つけることで、日常のティータイムや特別なひとときをより豊かに彩ることができます。
この記事を参考に、自宅で気軽にペアリングを試しながら、自分だけのお気に入りの組み合わせを探してみてください。