- テンパリングを自宅でしたいけれど、どんな道具が必要かわからない……
- お菓子作り初心者だけどテンパリングをしてツヤツヤなチョコレートを作りたい……
- 最低限どんな道具が必要なのか知りたいけど、あれもこれも必要そうで迷ってしまう……
チョコレート作りにおいて「テンパリング」という言葉をよく耳にすると思います。
しかし、初心者にとっては「特殊な道具が必要なの?」「何を揃えればいいの?」と疑問に思うことが多いはずです。
実はテンパリングするための道具は簡単に揃えることができます。
私は、元ショコラティエとして世界的外資系ホテルやショコラトリーで勤務し、全日本洋菓子コンクール チョコレート部門で日本2位を獲得した経験があります。
プロの現場では専門の道具は必須ですが、自宅でチョコレート作りをする場合にはどこまでこだわるべきなのか、人それぞれだと思います。
この記事では、テンパリングを初めてやりたい方向けに最低限揃えるべき道具、選び方のポイントを解説します。また、あると便利な道具も紹介します。
この記事を読めば、無駄な道具を買わずに、最低限のコストでテンパリングを始めることができます。失敗しにくいチョコレート作りを目指して、ぜひ最後まで読んでみてください!
そもそもテンパリングとは?
テンパリングとは、チョコレートの中に含まれるカカオバター(油分)の結晶構造を整える作業のことです。
この工程を行うことで、主に4つのメリットがあります。
- 口どけの良さ
- ツヤツヤの見た目
- パリッとした歯切れの良い食感
- チョコレートの状態よく保存
チョコレートの結晶が整っていないと”ブルーム”が起きてしまい、ブルーム状態で保存してしまうとチョコレートの品質が劣化してしまうため、チョコレートの製造工程では必ずやる作業になります。
【テンパリングが必要なケース(例)】
- ボンボンショコラやタブレットショコラを作るとき
- ケーキや焼き菓子の装飾に使うとき
- チョコレートのツヤや形を重視する飾りを作るとき
【テンパリングが不要なケース(例)】
- 生チョコやムースを作るとき
- 焼き菓子の生地に混ぜ込むとき
- パーム油など代替油脂をメインに使っているチョコレートを使うとき
初心者でテンパリングをするorしないの判断が難しい場合にはチョコレートに他の材料を混ぜる時にはテンパリングが不要と考えると良いでしょう。
焼き菓子や生チョコなどがテンパリングが不要な理由は他の油脂分を混ぜることになるのでカカオバターの結晶構造が変化しカカオバター単体で結晶化することがなくなるためです。

チョコレートに材料を混ぜないで固めたい場合にはテンパリングが必要と覚えておけばOKです。
テンパリングに必要な道具
テンパリングを行う際に最低限必要な道具は以下の3つです。
- ボウル
- ゴムベラ(スパチュラとも呼ばれます)
- 温度計
これらを揃えるだけで、テンパリングが可能です。それぞれの道具の選び方や特徴について解説します。
詳しいテンパリングのやり方についてはこちらの記事で解説してます。
ボウルの選び方
ボウルの材質には以下の種類があります。
- ステンレス:熱伝導が良いが、湯煎で使用する場合は温度管理が難しい。
- プラスチック(ポリプロピレン、ポリカーボネート):軽くて扱いやすく、電子レンジ対応製品がおすすめ。
- ガラス:耐熱性があり、電子レンジでの使用に適している。
チョコレートは電子レンジで少しづつ溶かすことをオススメしているレンジ対応のボールを選ぶようにしましょう。
電子レンジで溶かす方法がおすすめな理由
1. 水分混入のリスクが少ない
チョコレートは水分が1滴でも入ってしまうとテンパリングができなくなってしまいます。
湯煎では蒸気や水滴がチョコレートに混入してリスクがあるため、失敗のリスクを下げることができます。
2. 手軽で効率的
湯煎の準備準備や片付けなどの手間がないため作業が楽になります。
⚠️チョコレートを湯煎で溶かす場合にはプラスチックだと溶けてしまう可能性があるため、ステンレスかガラスにしましょう!
(溶かしているときはラップをして水蒸気が入らないように対策をしましょう。)
ゴムベラ(スパチュラ)の選び方
ゴムベラはどのようなものでも大丈夫です。
ですが料理に使っているゴムベラをそのままチョコに使ってしますと匂い映りをする場合がありますので、お菓子用
で1本持っておくと便利です。
私はテンパリングの量によってゴムベラの大きさを変えていますが小さいタイプのゴムベラをよく使います。
温度計の選び方
温度計には以下の2種類があります。
・接触タイプ:液体や素材に直接触れて温度を測る
・非接触タイプ:赤外線を使って温度を測る
【非接触タイプ】
メリット | デメリット |
素早く温度の測定が可能 | 表面温度のみを測定 |
衛星的で使い勝手が良い | 値段が高い |
非接触タイプは広い範囲の温度を素早く測定可能で特にタブリール法では、チョコレートを薄く広げるため、広範囲の温度を瞬時に測りたいとても便利です。
チョコレートに直接触れることもないため衛生的テンパリングをするのにとても使いがってが良いです。
ですが接触タイプの温度計に比べ値段が高めなのでチョコレートのテンパリングをするためだけに購入するのは少し勿体無いかなと感じます。
日常的にお菓子を作る方や揚げ物をする方でしたら持っていて損はないと思います。



揚げ物をする時やムースを作る時にも使っているのであるととても便利です。
初心者で初めてテンパリングに挑戦する方は、接触タイプを試してから、必要に応じて非接触タイプに切り替えることをオススメします。
あると便利な道具
ドライヤー
用途:チョコレートが固まりかけた際や、温度の微調整に使用します。
チョコレートが固まって来てしまった際や、作業温度計にするときに温度を微調整するときに使います。
ドライヤーがない場合には湯煎で温めることになりますが、チョコレートは水が苦手な為あると水を一切使わずに作業することができるので失敗するリスクを減らすことができます。
日常使いとは別に安価なものを用意するとテンパリングの作業が失敗しにくくなります。
その他の便利な道具
テンパリングを成功させるために必須ではありませんが、作業の精度や仕上がりを向上させるために役立つ便利な道具を紹介します。
- コーム
チョコレートに細かい模様をつけるための道具です。テンパリングしたチョコレートを薄く広げて固める際に、美しいストライプや波模様を簡単に作ることができます。
ケーキのデコレーションや、タブレットショコラの表面に個性的なデザインを施すのに便利です。 - チョコレート専用型(モールド)
チョコレートを決まった形に固めるための型です。ボンボンショコラやタブレットショコラを均一なサイズ・均一仕上げることができるため、見た目の美しさだけでなく、食感や口どけの統一感を出すのにも役立ちます。
初心者の方には、100円ショップのシリコン製の型が扱いやすくオススメですが、プロ仕様のポリカーボネート製の型を使用すると、よりシャープでツヤのある仕上がりになります。 - パレットナイフ
テンパリングしたチョコレートを広げたり、表面を平らに整えたりするためのヘラです。特にタブリール法(テンパリングの一種で、大理石の上にチョコレートを広げて温度を調整する方法)を行う際に欠かせません。
また、ボンボンショコラの型を仕上げる際に余分なチョコレートを削ぎ落とすのにも便利です。
大きめのパレットナイフを使うと広範囲を一気に整えられるので、作業効率もアップします。
必要な道具をそろえるコスト
テンパリングに必要な基本的な道具は、手頃な価格で揃えることができます。初心者の方でも気軽に挑戦できるよう、最低限必要な道具のコストをまとめました。
【最低限のコストで揃える場合】
- ボウル:110円(100均で購入可能)
- ゴムベラ:110円(100均で購入可能)
- 温度計:440円(100均で購入可能)
合計:660円
100均の商品でも十分に使えるため、最初は手軽に道具を揃えて、徐々にこだわりの道具を追加していくのがおすすめです。
もっとこだわりたい方へのおすすめ
テンパリングをより精度高く、ストレスなく行いたい方には、使いやすい道具を選ぶと作業のしやすさが格段に向上します。
- タニタ製の温度計(約2,000円前後)
温度測定が早くで、誤差が少なく精度の高い測定が可能です。テンパリングは温度管理が命なので、温度計の性能が仕上がりを左右します。
特に、頻繁にチョコレート作業をする方や、より確実に成功させたい方には、タニタのデジタル温度計をおすすめします。 - 非接触タイプの温度計(約3,000円〜)
赤外線でチョコレートの温度を瞬時に測定できるため、広範囲の温度管理が必要なタブリール法や、大量のチョコレートを扱う場合に最適です。
衛生面でも優れており、作業効率を向上させたい方に向いています。 - ポリカーボネート製のチョコレート型(モールド)
シリコン型に比べて、チョコレートのツヤが出やすく、美しい仕上がりになります。
小さいものだと価格は1,500円〜3,000円ほどですが、本格的なボンボンショコラを作りたい方にはぜひ取り入れてほしい道具です。
まとめ
テンパリングは、チョコレートの美しいツヤやなめらかな口どけを実現するために欠かせない工程です。最低限の道具(ボウル・ゴムベラ・温度計)があれば、自宅でも簡単に挑戦できます。
また、温度管理を正しく行うことで、初心者でも失敗なく仕上げることが可能です。
補足
道具選びに迷った場合は、まずは100均で揃えられる基本アイテムで試し、より高精度な仕上がりを求めるならタニタ製の温度計やポリカーボネート製のモールドを追加するのがおすすめです。
便利なアイテム(ドライヤーやパレットナイフ)を活用すると、作業がスムーズになり、よりクオリティの高いチョコレートが作れます。
少しづつチャレンジしていくのもチョコレートの醍醐味です!
正しい道具と知識があれば、家庭でも本格的なチョコレート作りを楽しめます。ぜひ、今回の内容を参考にして、理想のチョコレート作りに挑戦してみてください
3. Call To Action(読者への次のアクション)
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・テンパリングの基本手順を知りたい方は、こちらの記事をチェック!
👉 初心者でもできる!チョコレートテンパリングの手順とコツ


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