シングルオリジンチョコレートとブレンドチョコレートの違い

豆知識

「シングルオリジンチョコレートって聞いたことがありますか?」 

最近、コーヒーやお茶の世界でもこの言葉が使われるようになり、言葉だけ聞いた事がある方もいるのではないでしょうか?

単一の産地で育てられたカカオから作られるチョコレートを、その土地特有の風味が楽しめるのが特徴です。

一方、複数の産地のカカオを混ぜて作られる「ブレンドチョコレート」も、バランスの取れたマイルドな味わいが魅力です。

実は、この二つのチョコレートには、それぞれに大きな違いがあり、使い分けでお菓子作りの幅が勝手に広がっています。 

シングルオリジンチョコレートは特定の風味を活かすのに適していて、ブレンドチョコレートは他の食材と合わせやすい柔らかな味わいを持っています。

僕はショコラティエとして長年ショコラトリーで働き、全日本チョコレートコンクールで日本2位に輝いた経験があります。 

そんな僕が、シングルオリジンとブレンドチョコレートの違いと、それぞれの使い方のポイントをお伝えします。

この記事では、シングルオリジンとブレンドチョコレートの特徴、そしてお菓子作りにおけるそれぞれの選び方について詳しく解説します。

この記事を読むことで、チョコレート選びのポイントがわかります。

シングルオリジンチョコレートの特徴

シングルオリジンの1番の特長としては、その地域や農場の個性が、 チョコレートの味にそのまま反映されるところです。

例えば、バナナの近くで育ったカカオほんのりバナナの香りがしたり、

マダガスカル産の場合にはバニラの風味がしたチョコレートだったりと

その地域土壌によって同じ品種でもチョコレートになった時の風味が全く異なるものになります。

これがシングルオリジンチョコレートの特徴で唯一無二のものになります。

ショコラティエがカカオの有縁の視察に行くのはカカオをみに行くのもそうですが周りはどんなん植物が育っているか等環境も合わせて視察しています。

またチョコレートと合わせる食材はその土地でとれた食材が相性が良いため、おいしさを求めるならシングルオリジンのチョコレートを使いこなす必要もあります。

ブレンドチョコレートの特徴

ブレンドチョコレートは複数の産地、例えばエクアドル産のチョコレートとガーナさんのチョコレートを混ぜたりと大体2〜3地域のチョコレートをブレンドしています。

チョコレートをブレンドすることによって、チョコレートの尖りすぎた特徴の角が取れマイルドな味わいになります。

マイルドになると以下のようなメリットがあります。

・チョコレート単体でも食べやすいように配合している

・他の様々な食材と合わせやすくなります。

また、年間を通してブレンドの割合いを微調整することで安定的にチョコレートをお客さんに届けることもできます。

用途による選び方

基本的には個人の好みの使い方をすればいいと思います。

シングルオリジンはこれしか使えないなどもないため、食べてみて美味しいと思えるチョコレートを使うのが一番良いと

考えています。

僕の場合、例えばボンボンショコラで使う際はシングルオリジンの特徴のあるガナッシュを作り ブレンドチョコレートでコーティングをするなど使い分けています。

ブレンドチョコレートと癖がなく食べやすいので子供でも食べやすいチョコムースを作りたいという時だったりとか、 他の食材を際立たせてチョコレートがさぶの時などに使います。

チョコレートだけではないですが、誰にどんなお菓子を届けたいかによって、使う食材も変わってくると思います。

Q &A

1.シングルオリジンチョコレートは単一の品種で作られていますか?

 基本的には複数の種類のカカオから作られています。

理由としては農場の中でも複数のカカオの木が生えているためお互いに受粉してしまう等が起こっいるので現状は産地のみを指します。

2.シングルオリジンチョコレートを選ぶ際の具体的な基準はありますか?

例えばバニラ✖️チョコレートのお菓子を作りたいときは同じ産地のマダガスカル産のチョコレートを使うと良いです。

食材を選ぶ際に2つのポイントのどちらかを意識すると選びやすくなります。

1.似た色のもの同士を組み合わせる。

チョコレートとコーヒー

チョコレートと紅茶 など

2.産地を合わせる

同じ土壌で育ったあもの同士は基本的に相性が良いことが多いです。

マダガスカル産のチョコレートとバニラ

エクアドル産のチョコレートとコーヒーなど

3.ブレンドチョコレートが「食べやすい」理由

3.複数の産地のカカオを混ぜることで、各地産地の個性や癖が調整され、バランスの取れたマイルドな味わいになるからです。

特定の産地のカカオは、酸味や苦味、フルーティーさなどが強く出ることがありますが、ブレンドすることでその特徴が和らぎ、全体的に角が取れた丁寧な味わいに仕上がります。

まとめ

シングルオリジンとブレンドチョコレートは、それぞれ異なる特性を持っており、使い分けによってお菓子作りの幅が広がります。

 シングルオリジンチョコレートは、特定の地域や農場で育ったカカオ豆の風味をそのままにのが魅力ですその土地特有の環境が味に反映され、ユニークな風味を楽しむことができるため、個性を活かしたお菓子を作りたいときに最適です。

 特定の地域で育ったバニラやコーヒーなど、同じ産地の食材と大事なので、より長く味わいを引き出すことができます。

一方、ブレンドチョコレートは、複数の産地のカカオを混ぜることで、味のバランスが整い、マイルドな仕上がりになるのが特徴です。 

単体で食べやすい、様々な食材と合わせやすいです。

用途によってシングルオリジンとブレンドチョコレートを考慮することで、お菓子や競合に応じた最適な味わいを実現することができます。